トップリーグ2021プレーオフ準々決勝〔5月8日〕/トヨタ自動車vsNTTドコモ/試合レポート

TopLeague

トヨタ自動車ヴェルブリッツ vs NTTドコモレッドハリケーンズ

トヨタ自動車
NTTドコモ

2021年5月8日(土) 天候:くもり えがお健康スタジアム【熊本】

13:00キックオフ

トヨタ自動車ヴェルブリッツ NTTドコモレッドハリケーンズ
前半 後半   前半 後半
1 3 T 2 2
0 2 G 1 2
0 0 PT 0 0
2 1 PG 1 0
0 0 DG 0 0
11 22 15 14
33 合計 29
反則
PK FK PK FK
5 0 前半 3 0
6 0 後半 4 0
11 0 合計 7 0

記者会見

NTTドコモレッドハリケーンズ

NTTドコモ

〔ヘッドコーチ〕ヨハン・アッカーマン
本当に選手のことを誇らしげに思う。これまでやってきた努力を振り返って満足している。
トヨタさんに関しては「試合の勝利おめでとうとございます。チャンスでしっかりとってこういう結果を出しているのでこの先の試合も頑張ってください。」
シーズンを通して応援してくださったサポーターの皆さんに感謝したい。
こういう試合は、小さなプレーひとつで差がついてしまうような顕著な試合だった。
例えばロングキックがバウンドしていたらいいプレーになっていたかもしれないし、モールを組んでも組み切れずトライできなかったり、28-29の1点差でペナルティゴールを狙わず結果的にトライがとれずに4点差をつけることが出来なかった点など、細かいところがすべて勝敗に響くのを感じた。
自分たちに多くのチャンスがあったからこそ、心が痛んでいる。
しかし両者ともよくファイトしたので、トヨタさんに感謝したい。

〔キャプテン〕ローレンス・エラスマス
ヘッドコーチが言ったように、シーズン通してのメンバーの働きぶりが誇らしい。
今日も多くのチャンスがありチーム全員、勝つつもりで臨んでいたし、それだけのことをやり切った点を踏まえた上で、負けてことに対して心を痛めている。
TJもロッカールームで言ってくれたが、ここまでみんなが感情的になることはそうはないので、そういう要因があったのではないかと思うと、残念な気持ちでいっぱいだ。

TJ・ペレナラ 選手
「トヨタさんの勝利、おめでとうございます。」
コーチも言っていたように、チャンスが何度もあったのに生かしきれなかった。その一方で、トヨタは取るところでしっかり得点に結びつけ差が付いた。
みんなのハードな頑張りが誇らしくて、ロッカールームでも感情的になるメンバーがいたのはチームがそれだけ成長したのだと感じた。
自分たちも今後もそうしてやっていけるようにしたい。

――シーソーゲームで最後まで勝敗が分からなかったゲームだったが、そのわずかな差を分けた点はどういったところか?

TJ・ペレナラ 正直言って何が勝敗を分けたポイントなのかは分からないが、チームとして振り返ってみるならば、思いつくのはファーストフェイズで緩いトライを取られてしまったというのがそうなのかなと思う。もちろんそれが負けた完全な要因ではないが、ファースト・セカンドフェースと相手の得意なところを簡単に攻めさせてしまったのではないか、というが個人的な見解だ。

――今年チームを初めて指導するにあたり、チームをここまで成長させることが出来たが、来シーズンにかける意気込み、期待度はどのくらいあるのか?

ヨハン・アッカーマン まだ感傷に浸っているところなので、今のところは考えきれないのが正直な気持ち。おそらく選手が替わったりするところもあるし、まずは今年頑張ってくれたグループに感謝するのと、来シーズンに向けて替わったメンバーでどう臨むかはその時になってしか分からい。今までやってきたことを伸ばしていくのはもちろんだが、その時点にならないと答えきれない。

――トップリーグで戦った今シーズンを振り返って率直な気持ちを聞かせてもらいたい

TJ・ペレナラ トップリーグは素晴らしい大会だと思う。自分自身もプレーして肌で感じたし、ドコモも毎回ファンの人たちが観たいと思うような試合をしていた。ドコモに限らず僅差の試合が多いし、内容を見てもいいプレーがあり、レベルも高く、ファンが喜ぶような試合が多い。今日の試合も最終的には4点差でお互いやりあった結果、シーソーゲームになった。来年はトップリーグの呼び方が変わると思うが、新しいリーグもより一層レベルアップしていくし、ファンが楽しめるような大会になっていくと自分自身も思っている。いいパフォーマンスをしてくれる選手たちを誇らしく思う。

――今季を振り返って今までのチームと何が一番変わったと感じるか?

ローレンス・エラスマス 一番大きな変化は文化、カルチャーが大きく変わったと思っている。環境的にも非常にポジティブで、新しく動き出した中でも、チームカルチャーとしてお互いのために戦うことが根付き、最後まで戦い続けることが出来る集団になったこと。


トヨタ自動車ヴェルブリッツ

トヨタ自動車

〔ヘッドコーチ〕サイモン・クロン
ノックアウトラウンドということで、これは戦争のような試合になるということは分かっていたが実際に戦争のような試合であったと思う。
ドコモさんは前半、コンタクトゾーンを制していたし、ポゼッションに関してもターンオーバーで相手に渡してしまうシーンが多くあった。
しかしプレイヤー全員が、今起きているプロセス、その一瞬に集中することが一致団結して出来ていた。
71分目以降、プレイヤー全員がパニックになること無く、全員の仕事、役割に集中することが出来た結果が今日の結果に繋がった。
もちろん様々な部分に於いて、課題は残っているがこれに関しては次の試合に向けて、成長していければと思っている。

〔キャプテン〕茂野海人
タフなゲームであった。ドコモさんのブレークダウンのプレッシャーや寄りの部分で負けていたということがあり、コントロールを失い、ペナルティを取られてしまった。
ただし、全員がスコアボードは見らずに、しっかり自分の役割を考えてプレー出来た結果が勝利につながったと思う。
今回のタフなゲームに勝利したことは次の試合に繋がる事になるし、課題もあったが次の1週間に繋げられたのは大きなことだ。
次の1週間まで、今回出た課題を直し、チームとしてさらに成長していきたい。

トヨタ自動車

三浦昌悟 選手
準々決勝ということで、ドコモさんも気合を入れて勝ちに来る試合だった。
そう意味で自分たちにもプレッシャーがかかる試合が予想されたので、準備はしてきた。
最後まで80分間の試合を楽しめたことは良かったと思う。

ヘンリー・ジェイミー選手
この試合に合わせて85分間、試合ができるよう準備した。
自分のラグビーとしては、リーグ戦とトーナメントでは全然違う。ずっとタフな試合になることは分かっていた。
来週まで試合ができることは嬉しく思う。

――今日のゲームプランと、前半にペースを掴めなった原因はどこにあったのか?

サイモン・クロン 戦略としてはフォワードを厚くする、当たりに行く形を考えていた。フロントラインのフォワードでコントロールしたい、そういうことでフーパーを7番で起用した。ドコモがランで来るのは分析からも分かっていた。その対策としては効率的にできていた。うまくいかなかった点はブレークダウン、オーバーに入るタイミングが遅かった。ドコモがトヨタのブレークダウンを遅くしてくる、そういった点がターンオーバーされることになった。フェーズを重ねて、プレッシャーを重ねるところに厳しいシーンがあった。しかしながら、後半は選手全員ですべてのシーンに適用したので、このような結果に繋がったと思う。

茂野海人 ヘッドコーチと同じ意見で、ブレークダウンがうまくいってなかった。個々にプレッシャーをかけられたときに、自分たちがやりたかったラグビーが出来なかった。本当はもっとクイックテンポで出してスペースにボールを運ぶのがうちのラグビースタイルだが、そこにプレッシャーをかけられたのが原因。その点を意識して修正し、次の試合に生かしたい。

――兄との直接対決となったが、特別な思いを聞かせて欲しい。また、試合後、言葉を交わしたのか?

茂野海人 兄と対戦できるのは、自分にとって素晴らしい時間であり、楽しい時間と思いながらプレーに臨んでいた。勝って一言で言うと嬉しい。同じ時間を過ごせたのは素晴らしいことだが、それよりもチームの中で何をするのかという点にフォーカスしていたので、それが結果に繋がって良かったと思う。兄からは、勝ったのだから絶対優勝しろよと声を掛けられた。今まで倒してきたチームの想いも背負って、自分たちが優勝するつもりでやっていく。

――それまで劣勢だったのが、後半の終盤にかけてブレークダウンの含めて勝てた要因は?

サイモン・クロン 23人全員がチームにとって非常に大切なプレイヤーである。23人それぞれが大変大きな役割を担って試合に臨んでくれた。これはもちろん本日出場しなかったプレイヤーも含んでいる。ウィリー・ルルーをバックフィールドという形で投入したタイミングに関しては、後ろのスペース、フィールドをもっとコントロールさせる、またコミュニケーションを上げる意図で投入した。同じに投入した古川、滑川に関しても、フィニッシャーとしての役割を遂行してくれた。最後の5分間は我慢の時間であった。しかしながら我慢を重ねて、ボール下に一人目がタックルに行くことで、吉田がオンボールのチャンスを生かすことが出来た。これも練習の成果が表れた。

――スタメンでは外国人選手が9名いたが、最後は日本人選手が多かった。日本人選手の成長に対して感じる部分は?

サイモン・クロン トヨタのスコッドは46人いる中で、結果に繋げるには一人一人が大変重要。トップリーグにおいてはどのチームの4~5人、著名な外国人選手が揃っている。しかし、全てのプレイヤーが一丸となってプレーすることで結果に繋がっている。46人中23人が全員仕事をやり切ってくれた。これは一人でも役割を果たせないプレイヤーがいたら結果には繋がらない。ご覧の通り、ベンチからスタートしたフィニッシャーにおいても、大変いい仕事をしてくれた。これは日本人、外国人は関係はない。素晴らしいプレイヤーが揃っていて、コーチングをしていても非常に喜びを感じる素晴らしいチームである。

――セットプレーでのプレッシャーに対して、どうやってゲーム内で修正できたのか?

三浦昌悟 試合展開として追う展開は想定していたので焦ることはなかった。自分たちが今、何をするべきかという点にフォーカスできたので、その意味では楽しめたと思う。フォーカスポイントとしては、コンタクトエリア内でのノミネーション、ボールキャリーであったり、スクラム、ディフェンスのタックルでノミネートしていきたかったが、個人的には課題も残った。

――1点差に追いつくトライは端の方へのトライだったが、決めた瞬間は確信があったのか?

ヘンリー・ジェイミー もちろん。自分自身は100%トライできたのが分かった。トライに繋がるがどうか否かの反応に対して、自分は正直、演技するのは上手ではない。

――走らせてもらえる回数が少なかったようだが、ドコモのプレッシャーがかなりあったのか?

ヘンリー・ジェイミー プレッシャーはかなり高かった。トヨタはブレークダウン、ボールパーソン、激しいキャリーがあまり良くなかった。試合中に少しずつ良くなったが、ちょっとしたミスや、細かいところを修正することで、来週さらにいい試合に臨めると思う。

――33点目の逆転のトライの前、自陣ゴール前のディフェンスと、逆転後からノーサイド迄のディフェンスについてどのような事を考えてプレーしていたのか?

三浦昌悟 一つ目のモールディフェンスのところは、自分の役割だけを考えてプレーしていた。自分の役割としては前線でしっかり相手を剥いで、モールを止める役割があったので、エリアに関係なく自分にフォーカス出来ていた。最後の方の長い時間帯のディフェンスについては、考える間もなく必死に走って起き上がって、自分がすぐプレーに戻れるように頑張った。

――こういうタフな戦いで80分間プレーを出来たことは自信に繋がるか?

三浦昌悟 フィットネスの部分を強みとしてやってきているので、80分間やり切れたことは自分でも頑張ったと思う。一つ一つのプレーの質はもっと上げれるところもあるので、次の試合までにはしっかりリセットして頑張りたい。

――厳しい展開の中で、後半2つトライを決めたことに対してどう思うか?

ヘンリー・ジェイミー チームの中で自分の役割はフィニッシャーだと思う。試合の中でチャンスがあればトライ迄もっていく、それこそが自分の仕事だと思っている。個々の仕事をやり切る個人が集団として集まることで、チームとしての仕事もやり切れるので、お互いそれを求めながら結果的にチームとして勝ち取った試合が出来た。


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